
皆さんこんにちは、ながものです。
「ゆうメイトという生き方」シリーズで記事を書いていましたが、今日ニュース記事の中にとても気になる内容があったので今回はそのニュースについて考えてみたいと思います。
日本郵政グループが、正社員のうち約5千人の住居手当を今年10月に廃止することがわかった。この手当は正社員にだけ支給されていて、非正社員との待遇格差が縮まることになる。「同一労働同一賃金」を目指す動きは広がりつつあるが、正社員の待遇を下げて格差の是正を図るのは異例だ。
記事・画像引用元 : 正社員の待遇下げ、格差是正 日本郵政が異例の手当廃止:朝日新聞デジタル
正社員と非正規社員の違い
以前記事にしたこちらを読んでいただくと分かるように、正社員と非正規社員において「業務内容」という面で大きな違いはありません。
郵便局契約社員格差裁判、格差認める判決
http://nagamono.net/2017/09/15/postman-14/
上記記事で取り上げた裁判を受けての対応と思われますが、想像していた中で最低の対応だと思います。
ながもの個人としての考え方は、こちらのブログを読んで下さっている方はなんとなく察しがついているかと思いますが、非正規社員、つまりゆうメイトは働き始めやすく、辞めやすい(ここは時と場合による部分もありますが…)というメリットがとても大きいです。そのメリットを活かした生き方が出来る方には悪い環境ではないと考えてます。
ただ、それを差し引いたとしても正社員との給与、手当て等の格差は大きいと感じていたのも事実です。勤務年数5年もすれば年収で1.5倍近く差がつくこともザラにあります。業務内容はほぼ同じだとしてもです。
ちなみに日本郵政、郵便業務部門のみで考えると基本赤字経営です。その半分以上は人件費。
つまり日本郵政は今回、その格差をゆうメイトの待遇改善ではなく正社員の待遇引き下げ、つまり改悪することでゆうメイトのガス抜きと経営改善を図ろうと考えたワケですね。
すでに格差是正は始まっていた!?
ゆうメイトからの正社員登用制度にある「新一般職」という存在
ゆうメイトでキャリアを重ね、一定の成果をあげると正社員登用への道が開けます。その際「新一般職」という呼称される職種で採用されることになるのですが、この「新一般職」、いわゆる「名ばかり正社員」に近いものと感じています。ざっくり説明すると、
- 昇進等はなし、最大でも一般企業主任クラスの年収・待遇を考えると分かりやすい
- ボーナス支給はゆうメイトに多少色が付いた程度、ちなみにゆうメイトのボーナスは0.5ヶ月分×2回
- 転居を伴う転勤はなし。そのため住宅手当等もなし。
- 月給制となるため給与は基本給+残業代+交通費程度
- 時給制ゆうメイト(最大ランクA有)が8時間20日働いた場合より基本給が少ない
私が勤務していた頃に、上長からこういった説明で勧誘を受けました。
これでは正社員という名目は手に入りますが実際の給与が下がるといったケースも発生してしまいます。実際私の場合もそうでした。
現在はこの「新一般職」で働く正社員と、地域基幹職(いわゆる総合職)採用の正社員との格差も問題になってたのかなぁなんて邪推してしまいますね…。
今回の件は序章に過ぎないかもしれない
ということで、実は以前より始まっていた格差是正の動き、それが今回は大きく報道された格好なのかなと私は思いましたが、ここから郵便局という職場の労働環境は悪化の一途をたどるのではと危惧しています。
正社員の待遇悪化によるモチベーション低下はどうあっても避けられません。
班制で業務を行う郵便部門は、班長が変わると班全体の雰囲気が変わるように、上司から意思の伝播も早かったように思います。
そんな風にモチベーションのデフレスパイラル(笑)が起こるのは必然でしょうし、ところによってはゆうメイトいじめがさらに加速するかも知れません。
誰という訳でもありませんが、働かない正社員がより働かなくなるでしょう。
結果、サービスの低下や簡略化が。そこからは営業収入さらに減、故に更に手当て・給料カット…といった流れも…。
悲観的なことばかり言っても仕方ないのですが、それくらい今回の対応は悪手だと言えます。
終わりに
今回のニュースで一番怖いのは、そこから異業種の「同一労働同一賃金」も同じように「下に合わせる」方向に向くのではないかという懸念です。
日本郵政以外にも経営が難しい企業はたくさんあると思います。ですが人材は企業の血液、最も大事なもののひとつです。それだけは忘れずにいて欲しいものですね。
ただ、私個人としては今ゆうメイトで働くという選択肢はぜんぜんアリだと思いますよ。ゆうメイトの賃金はその地域の最低賃金が上がる毎に底上げされてますから。
ん?だから今回上が下がってきたのかな?なるほど。